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ジョジョの奇妙な冒険がドラゴンボールを超えた日

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ダ・ヴィンチ 2012年 08月号 [雑誌]クリエーター情報なしメディアファクトリー

ジョジョの奇妙な冒険生誕25周年である。
荒木飛呂彦先生御自らジョジョについて語っていたのだが中々含蓄があった。
また、さもあらん、の連呼。
一番頷いたのは、この漫画のテーマ、人間賛歌 についてだが

>気持ち悪くてもいい、悪い人間がいてもいい。

>それが人間讃歌です。

ここ。

NHK大河ドラマ史上最恐シーン ’小津が怨みわしが引き受ける’
2012-06-02



>このように書き出すと止まらないし非常に長くなるが我々のような輩を唸らせるドラマを作りたければ

>女の業

>ないしは

>人間の業

>これを克明に描くしかないのだがこれを書ける脚本家がもうこの国には居ないのだろう。

実際にはジョジョ〜は武田信玄ほど女の業を描いていないのだが、荒木先生はもっと描きたくて描きたくて仕方ない。
されど、漫画もまた規制などがあって描きたくても描けないんだと言う。
非常に残念な話である。

〜〜〜〜

ジョジョの奇妙な冒険 8~17巻(第3部)セット (集英社文庫―コミック版)クリエーター情報なし集英社
初めてこの漫画を読んだ衝撃は今でもよく覚えている。
1989年の8月だった。
上尾市の第一団地の交差点にロッテリアがあるのだがその向かいにお好み焼屋さんがあった。
そこに家族で食事に行ったおり待ち時間に週刊少年ジャンプを手に取った。
第三部が始まったばかりでシンガポールに向かう飛行機の中での話だった。
少年誌では異色の漫画という印象を受けた。
それから直ぐにジャンプを買い始めたのだがお目当てはジョジョではなく当時人気絶頂のドラゴンボールだった。
私はドラゴンボールに熱中していたんだが或る時、ジョジョが追い抜いてしまう。
それがいつだったのか?
昨年、大掃除をした際、奇遇にも当時買った週刊少年ジャンプが1冊出てきて判明した。



1991年17号である。
当時のラインナップはこちら。



錚々たる連載陣だが人気の序列は巻頭カラー以降の順番、ゆえに一番不人気は当時、有害図書扱いを受けていた電影少女。
されど、当時、東映で制作された実写映画が公開される直前でジャンプ黄金時代がどれほどすさまじかったか、改めて痛感した。
連載中の漫画のほとんどがアニメ化されている。

ドラゴンボールはナメック星編のクライマックスで悟空とフリーザの一騎打ち。
それも・・



フリーザの技は通じず、悟空が最後に放った言葉は



人によってはこの頃をドラゴンボールのピークとするだろう。
だが丁度、同じころ、ジョジョ〜もある種のピークに達していたのだった。
ジョジョラーにはお馴染み、ダービー兄弟(兄)編である。
配られたカードを全く見ずに承太郎は



とのたまい。
ダービーを動揺させ更に



アヴドゥルの・・・・・魂を全部賭ける

うろたえるダービー。
そして皆さん、いよいよ今日のその時がやって参ります。
アブドゥルは冷や汗を垂らしながらこう答えます。



>力(パワー)はつかわないが真に強い男だ

ジョジョ〜が格闘漫画に革命をもたらしたと言われる所以がこれだろう。
ドラゴンボールとは別次元の戦いを展開していた訳である。

荒木飛呂彦

>代表作である『ジョジョの奇妙な冒険』は、それまで単純な「力比べ」だけだった少年誌のバトル漫画に、心理的な駆け引きやトリックによる「頭脳戦」を導入することで新たな展開をもたらしたと評価されている

ポーカー以上の頭脳戦及び心理戦があろうか?
荒木飛呂彦先生が最も得意とする戦いだ。

ゴージャス・アイリン (集英社文庫 あ 41-55)クリエーター情報なし集英社
>その作風は「王道を行きながら実験的」と評されている

そう、魂を云々は古典である。
頭脳戦や心理戦以外にも前述のダ・ヴィンチではジョジョ〜の戦いを

すごろく形式

と書いていたがこれまた然り。
次に出てくる敵はさっき倒した敵よりも弱いかも知れない。
そう、ダービーの弟がそうだったしケニーGなんてのも居たっけ。
他にも

じゃんけんぽんの関係

(承太郎だけ例外的に強い気もするが)強さがピラミッド型ではない点だ。
当初、私はジョセフのハーミット・パープルをかなり馬鹿にしていた。

だ、だせーよ、ただのイバラじゃん?

って。
だが・・・・エンプレス編でその威力を知ることになった。
ダービー編に入る前から徐々に私の心はドラゴンボールから離れて行ってたんだと思う。
孫悟空はどんどん強くなって行ったが他のキャラクターはどんどん隅に追いやられて行った。
仲間を殺した敵を倒しても結局そいつもまた仲間になる。

何のために戦っているのだろうか?

そうした素朴な疑問が湧いてきた。
答えは

強くなりたいから

これでは戦いのための戦いである。
フリーザを倒した後、ドラゴンボールは物語として破綻してしまった。
色んな意味で。
その責任は作者の鳥山明先生にはない!
そこまで長く連載する予定ではなかったからである。
1990年に私はドラゴンボールの画力が落ちていることに気付いた。
曲線が雑になっていたから。
他にもナメック星ゆえか背景は砂漠だらけで雑と言えば雑だった。
読み返せば分かると思うが1巻〜8巻位までのドラゴンボールの絵の緻密さは’素晴らしい’の一言に尽きる。

DRAGON BALL 2 (ジャンプ・コミックス)鳥山 明集英社
当時も今もこれを描ける漫画家は錚々居まい。
線が天才的だ。
読者も大いに誤解していた。
ドラゴンボールが元々ギャグ漫画であったことを皆忘れてしまったようだ。
ミスター・サタンが登場し思い出した読者も居ただろうがいささか無理があったように思う。
最も根本的なことは鳥山明先生の性格的なもので別に漫画を通して人間賛歌だとかまして人間の業なんて描く気はさらさらなかったと思う。

漫画は娯楽である

根底に流れていたのはこれではなかったか?
それは決して間違っていない。
だが・・・・荒木飛呂彦先生は娯楽+α、娯楽以上の漫画、そう、芸術の領域に望むと望まざると入っていたのだった。
単行本では分かりにくいがA4サイズのジャンプで読むとジョジョ〜の画力だけ突出している。

2009年01月24日

「Rohan au Louvre」!! ルーヴル美術館『小さなデッサン展』に荒木先生の新作原画が展示!


岸辺露伴 ルーヴルへ行く (愛蔵版コミックス)クリエーター情報なし集英社

さもあらん。
他の漫画にはなくてジョジョ〜にあった要素はまだある。

カタルシスないしは爽快感

である。
死んだ仲間はドラゴンボールでまた生き返る。
これでは敵を倒してもなんらカタルシスは起こらない。
これも鳥山明先生の性格的なものだろうが

本当に悪い奴なんていない

性善説である。
一方、ジョジョ〜に出てくる敵の多くが

クソ野郎

ゲス野郎

高慢ちき野郎

スノッブ

醜悪

まぬけ

田吾作

そんなんばっかである。
私は出てくる敵に対し憎しみや不快感を大いに感じた。
ゆえに承太郎にオラオラ粉砕された時の爽快感は格別だった。
このカタルシスは多分にプロレスの古典のようだった。

>耐えに耐えた力道山の空手チョップが炸裂!!

承太郎だけでなくジョセフや花京院のおしおきもまた然り。

>やめてッ! やめてそれだけはッ! はっ

敵は嫌な奴ばかりだが・・・・キャラによってはどっこい憎めない点も少しはあったりする。
されど仲間にはしたくない奴ばかり。

〜〜〜〜

昨日、久しぶりにテレビを観たんだが、そう

ジョジョの奇妙な芸人 第二部

である。
腹を抱えて笑ってしまった。
小学生のころ「ジョジョの奇妙な冒険」をリアルタイムで毎週欠かさず読めた私は本当に幸福だったと改めて思う。
なぜなら、当時、ジョジョの真価に気付いていた子供はそんなに居なかったから。
それは前述したジャンプの作品順で分かるかと思う。
4年ぶりに奇妙な芸人の面子を観てニヤリ。
特に2トップのケンドーコバヤシと中川翔子に。
この2人は本当に「ジョジョの奇妙な冒険」が大好きなんだろう。

越中詩郎芸人!!
2007-01-23


中川翔子...俺もそうじゃない!
2008-03-22


ケンコバは私のひと世代上だしショコタンは下だ。
だが世代を超えた共通意識、共通言語を持てるのはなぜなのか?

超高感度人間??
2012-06-23


これもあるだろうね。
それとやはりエニアグラムが同じなんだろう。
お馴染みタイプ4。
これは荒木飛呂彦先生も然りと思う。
ケンコバもショコタンも

現実世界よりも空想ないしは妄想の世界で生き生きするタイプだ

いずれにせよ、アメトーークは成熟社会におけるテレビ番組の或る方針を示した画期的なバラエティ番組と思う。

>共通欲求体験世代

>共通言語会話

この2つを前面に押し出すことで大成功をおさめたのだから。
だがこれが2015年以降も続けることが出来るかは分からない。

〜〜〜

ジョジョ〜とドラゴンボール以外の漫画もこの1991年17号がピークないしは分岐点となる。
例えば

ろくでなしBLUES 1 (ジャンプ・コミックス)クリエーター情報なし集英社




鬼塚との頂上決戦直前だった。
だが・・・92年に入るといわゆる硬派なツッパリは時代遅れの代物になり渋谷ではナンパなチーマーが出現し94年頃には’喧嘩’や’力’すら嘗てほど価値を持たなくなってしまった。

SLAM DUNK 1 (ジャンプ・コミックス)クリエーター情報なし集英社





これまた後世まで語り継がれた名台詞の一つであり、その後、スラムダンクはジャンプNO1の漫画に君臨するのである。
今思うと空条承太郎も前田太尊も桜木花道も高校生だった。
90年代後半に花開くスーパー高校生ブームの萌芽だったのかも知れない。

他、広告を観れば



ジャンプ漫画→落合信彦

良くも悪くも非常に分かりやすい。
集英社よ!しゅうえいしゃよ!
本当にありがとう!!



当時、私が欲しくて欲しくてたまらなかった懸賞品がこれ!
毎週毎週、アンケートはがきを出していたが結局当たらなかった・・・
あれから早、21年が過ぎた。
まだ自動車にはタイヤが付いている。
一体ぜんたい何が変わったと言うのだろうか?
世の中はどれ程良くなったと言うのか?

終わり

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